掛け軸の仕立て直し・三幅

先代の頃から代々受け継がれてきた三幅の掛け軸の仕立て直しを、ご用命いただきました。

一幅は昭和初期の掛け軸。
何と読むのか?ご依頼主も解らず、解読もして欲しいと併せてのご希望。
勉強不足甚だしい表具屋の親爺ですから、読み拾いしか出来ません。
ご贔屓頂く書の先生に助け舟をお願いしまして何とか読むことが出来ました。
作品にはペンでの落書き、しみ、破れが有り、本紙全体の状態もよく有りません。

【 BEFOR 】
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慎重に剥がし、洗い、シミ抜き、ペン書きの除去、折れた部分の補強とちょっと手こずりました。
【 AFTER 】
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二幅目は伊勢神宮から頂いてきたもの。
大量に作られたもので印刷部の下に肉筆で揮毫したものです。
本紙は藁半紙に近く、使われている墨の膠も飛んで、剥がし作業中に墨が流れ出そうです。
処置をしてこれまた慎重な作業で進めました。
既存の状態は紙表装の仮表具でした、本来神宮仕立てでは白綸子を使うのですが、今回はご自宅に常用掛けとする為、浅葱色の地模様入りの緞子で仕立てました。
【 AFTER 】
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三幅目は観音像の拓本です。
これも紙表装の仮表具。
大きく破れが有り、一部にはセロテープで補修していました。
実はどんなに破れていても修復は目立たない様に出来るのですが、セロテープやスコッチテープなどで補修されているとその部分に接着剤が固着して削り取るしか方法が有りません。薬剤で溶かして落とすことも出来ますが、溶剤となりますので本紙を痛めるので出来るだけ使用は避けております。

【 BEFOR 】
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【 AFTER 】
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三幅とも「若返り」ご依頼主からは大変喜んで頂きました。
またご家族の皆さんとともに、折々の節に床の間に飾られて「歴史」を刻んでいく事と思います。

皆さんに知って頂きたいのですが、この様に掛け軸や屏風など破れてしまった場合は、習字の用紙や障子紙で良いので「ヤマト糊」を使って補修しておいてください。糊はあのチューブに入った「ヤマト糊」です。決して「スティック糊」やアメ色した「アラビヤ糊」は使用禁止です。樹脂糊ですから水で流し落とせません。
むしろ補修などせずに、そのままの状態で持ち込んで頂いた方が料金的にも安くなります。
参考にしていただくと幸いです。


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この記事へのコメント

2019年07月13日 14:03
過ぎた日々を 取り戻す そんな思いにもなりました。
時を越え 代々受け継がれる大切な お作品を手掛ける
お仕事の大変さも・・・・・
普段は目にする事もない 感動を頂いています。
2019年07月15日 09:12
tatukie様
コメント有難うございます。
市場での貨幣価値評価に踊らされる事なく、「我が家のお宝」として次世代に繋げていきたいものです。某番組の功罪は古いものに興味を持ってもらった事、なんでも貨幣価値に置き換えて評価する事、でしょうか。何が大切か?問いかけていきたいですね。

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